| TRIGUN感想 |
| TRIGUN MAXIMUM 第10巻 |
書店で10・11巻が並んでいるのを見て、綺麗だなあと思いました。 手が出せない。それくらいに。 なにも考えないように 裏表紙の誰もいないソファを直視しないように 平積み棚から取りあげて、レジに持っていく。 まずは眺めて。やっぱり手が出せなくて。カバーすら外せなくて。 先に11巻を開いて、どこまでがこの巻に収録されてるのか確認して。 そのまま11巻を読んで、 10巻はそっと仕舞いこんでしまおうかとも迷いました。 どうせなら全巻を読み返してその流れの中で読むべきじゃないかとか これを読んだら自分の中の最後の支えが折れてしまうかもしれないとか なんとか読まないでおく言い訳を考えたりして。 一晩置きました。 加筆修正の部分をチェックするために読む、ということにしました。 横にOURS切り抜きを並べて照らし合わせるような そんな本格的なことは辛くてできないけど、 一年かけて通ってきたこの道と自分を信じて。 連載時のシーンは、ヴァッシュが来た理由について 「おまえがどうしようもなくおまえだから」とか ちゃんとした言葉にもなってない想いを語るものでした。 それが、コミックスのウルフウッドは もう理由を言葉にしたり考えたりしないで、 ヴァッシュに対していつもみたいに悪態をつきながらも、 自分の気持ちを素直に出しています。 一杯おごってやってもいい。 これ、ヴァッシュに言ってあげてほしいなあ。 もちろん言葉なんか要らない2人なんだけど、 その後ちゃんと2人で酒を酌み交わしてるんだけど。 そう言われた時のヴァッシュの笑顔が目に浮かぶんだもの。 この男と明日を分かちあいたい、という ヴァッシュの言葉と対になってるみたい。 この書き直し、とてもとても好きです。 そして、もう誰の胸にも染みついているはずの、 ウルフウッドの指差しシーン。 ヴァッシュは「ウルフウッド…」とただ名前を呟くだけ、 瞳をあわせて、その示す意図を悟っていました。 コミックスでは、ウルフウッドはもう 指で指し示すことすらしませんでした。 言葉もアイコンタクトも仕草も、なんにもない。 でもヴァッシュには今、彼のためにどうするべきか伝わる。 そしてウルフウッドではなく、ニコラスって呼ぶのです。 「僕はニコラスの友達だ」って。 そんな風に呼んだこと、一度もないくせに。 おばちゃんや子供達の前でウルフウッドの名を呼ぶのを避けて。 友達。 ウルフウッドが血まみれでようやく探し当てた言葉を、さらりと。 なんかもう、なにもいうことない… 加筆修正、ありがとうございましたの気持ち。 ウルフウッドのスーツの裏側が書き直されたのが嬉しかったなあ。 アンプルとカートリッジがスーツ裏地にセットされる形は ちょっと不満だったのですー。 だってそれじゃあ気軽に上着を椅子やベッドに放り投げたり 服を取替えっことかできないんですよ!もにゃー! やっぱりああいうものは「TAXI DRIVER」みたいに 肩から下げててくれるのがかっこいいもの。 あと、ラズロの孤独感が強調されたので、 彼の最期のちょっと物足りなかったのがフォローされたと思います。 共闘アクションに至るまでの動きも細かく描かれて、 「大ピンチ」の意味がわかりやすくなりました。 …で、ここまで。 コミックスの後半部分は、難しいです。 加筆修正箇所を考えたりすることなどできませんでした。 いくつかあるのかもしれません。わかりません。 ひたすら、読むことしかできませんでした。 ただ、ヴァッシュが神さまにお願い事をする姿を見て、 ふと「祝福を」という言葉が思い浮かびました。 この男に祝福を。 恐れていたのよりもずっと穏やかに、読み終えることができたと思います。 最後にカバー下を拝みました。 最後の最後までこういうやつですウルフウッド。 ありがとう。 少し、肩の荷が下りたような、一息つけたような気持ちになっています。 トライガンの同志がどんな風にこの巻を読んだのか。 静かにそっと受け入れるにしろ、 激情や虚無に揺さぶられるにしろ。 どうか無理をしないで、 自分の心に正直でいてほしいと思っています。 |